「在留資格」とは、外国人が日本に在留(滞在)し、活動するための資格になります。
「ワーキングビザ」、「就労ビザ」、「ビザ」といえばイメージできるのではないでしょうか?
実は、” 在留資格=ビザ ”と思っている方が多いため、わかりやすくするために私も含めて多くのウェブサイト等で「在留資格」を「ビザ」と表記したりしていますが、本来、「在留資格」と「ビザ」は全くの別物です。
「ビザ」とは?
本来、海外に渡航する場合には、事前に渡航先の大使館や領事館等に申請をし、パスポートが有効で、入国させても問題ないという「推薦状」(パスポートに押印やシールを貼る形で発行されます)をもらい、この推薦状のあるパスポートを持って渡航するのが原則です。
そして、この「推薦状」のことを「ビザ(査証)」と言います。
日本からの渡航の場合、国によって日数は変わりますが、アメリカ、イギリス、台湾などの多くの国と地域で観光、商用、会議などでの渡航の際にはビザを免除する協定が結ばれているため、ポピュラーな海外旅行先への短期渡航の場合にはビザを必要としないことの方が多いです。
そのためにビザを取得したことのない方も多いかもしれませんが、実はこちらの方が例外で、ビザを取得してから渡航するのが本来の方法なのです。
ちなみに、ビザはあくまでもその国への入国のための要件の一つで、ビザがあっても必ず入国が保証されるわけではありません。所持金や、犯罪歴などその国の基準で入国できないこともあります。
そして入国後、その国で活動するための資格が「在留資格」になります。
「在留資格」とは?
外国人が日本で活動(行動)するためには、必ずその活動内容に応じた「在留資格」が必要で、在留資格がないまま滞在することはできません。
日本への旅行者にも入国時に「短期滞在」という在留資格が与えられています。
現在、在留資格は38種類あり、活動内容に基づく資格と身分に基づく資格に分けられます。
活動内容に基づく資格は、日本での活動内容に対して許可が与えられるもので、
中学、高校等で教師として働くことができる「教育」、
会社を起業してビジネスができる「経営・管理」など、
在留資格の範囲内で就労が認められる資格と、
旅行者等に与えられる「短期滞在」、
日本の学校で学ぶことができる「留学」など、
就労が認められない資格があります。
例えば、「教育」の在留資格で滞在している人がそのまま日本で起業することはできませんし、「留学」の在留資格でアルバイトは原則できません。(「資格外活動許可」を得れば、一定条件の下で就労可)
外国人の雇用を考えている方は、仕事の内容と現在の在留資格が合っているか、または仕事の内容に合った在留資格に変更、取得が可能か確認が必要です。
これに違反して就労した(させた)場合、本人だけでなく雇用主の方も知らなかったとしても罰則がありますのでお気をつけください。
身分に基づく資格は、
国際結婚により日本人の妻(夫)になったことによる「日本人の配偶者等」、
永住の許可を得たことによる「永住者」など、
日本での身分を手に入れたことに対して与えられる在留資格です。
こちらは就労に特別な制限はなく、日本人と同じようにどこでも働くことができます。
ちなみに、「日本人の配偶者等」は日本人と外国人が国際結婚をすれば自動的に与えられるわけではありません。
過去に違反、犯罪歴がある等の理由で不許可になり、日本での生活ができない場合もあります。
国際結婚の受理と在留資格の許可は別物とお考えください。
在留資格のことでお困りの方は、お気軽にご相談ください。