外国人の在留に関するニュースなどで、「退去強制」という言葉を聞くことがあります。
しかし、実際にどのような制度なのか、詳しく理解している人は多くありません。
退去強制は、外国人本人だけでなく、外国人を雇用する企業にも関係する重要な制度です。
今回は、「退去強制とは何か」「どのような場合に対象になるのか」「企業側が注意すべき点」をわかりやすく整理します。
退去強制とは?
退去強制とは、日本に在留する外国人に対して、日本からの退去を命じる入管手続のことです。
正式には「退去強制手続」と呼ばれ、出入国在留管理庁が対応します。
たとえば、次のようなケースで対象になる可能性があります。
- 在留期限を過ぎて滞在した
- 働けない在留資格で就労した
- 資格外活動の範囲を超えて働いた
- 犯罪で一定以上の刑罰を受けた
- 虚偽申請で在留資格を取得した
日本に長く住んでいても、必ず在留が認められるとは限りません。
個別事情によって判断されます。
「オーバーステイ」との違い
退去強制と一緒によく使われる言葉に、「オーバーステイ」があります。
オーバーステイとは、在留期限を過ぎても日本に残っている状態を指します。
つまり、退去強制の対象となる理由の一つです。
たとえば、
- 在留カードの期限更新を忘れた
- 転職後の手続を放置した
- 留学終了後も在留資格変更をしなかった
このようなケースでも、不法残留と判断される可能性があります。
「少し過ぎただけだから大丈夫」と考えるのは危険です。
期間が短くても、今後のビザ申請へ影響する場合があります。
企業側が注意したいポイント
外国人を雇用する企業も、在留管理への注意が必要です。
特に確認したいのは次の点です。
在留カードの確認
- 在留期限
- 就労制限の有無
- 在留資格の種類
これらを定期的に確認することが重要です。
業務内容との一致
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格でも、単純作業中心の業務では問題になる場合があります。
採用時だけでなく、配置転換時も注意が必要です。
不法就労助長罪のリスク
企業側が不法就労と知りながら働かせた場合、「不法就労助長罪」が問題になる可能性があります。
「本人が大丈夫と言っていた」だけでは、十分とは言えません。
企業側にも確認義務が求められます。
退去強制になるとどうなる?
退去強制が確定すると、日本から出国することになります。
また、一定期間は日本へ再入国できなくなる可能性があります。
一般的には、
- 5年間
- 10年間
- 無期限
など、状況に応じて上陸拒否期間が設定されます。
ただし、事情によっては「出国命令制度」が利用できる場合もあります。
どの制度が適用されるかは、個別事情によって大きく変わります。
まとめ|早めの確認と相談が重要
退去強制は、「重大な違反をした人だけ」の問題ではありません。
- 在留期限の管理不足
- 資格外活動
- 就労内容のミスマッチ
など、日常的な手続ミスから問題につながるケースもあります。
外国人本人だけでなく、企業側も適切な在留管理を行うことが重要です。
実際には、家族状況、在留歴、勤務状況などによって判断が変わる場合があります。
不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
相談・サポートはMuncy行政書士事務所へ。
