「検閲(けんえつ)」とは何か?

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愛知県で開催されているアートのイベントで、ある企画展が中止になりましたね。

この中止が妥当なのかどうかとか、この展示物をアートと言っていいものなのかどうかという事をブログで語ろうとは思いませんが、今回の中止に関する記事の中で「この中止は検閲にあたる可能性が、、」といった発言が個人的に引っかかったので、多少なり法律を学んだ者の一人として「検閲」について少し書いてみたいと思います。

検閲とは?

先に結論を書きますが、私は今回の件は「検閲」には当たらないと考えています。

では「検閲」とは何か?ですが、簡単に言うと、「行政が表現物を発表前にチェックして、その発表を禁止する事」で、日本国憲法 第21条後段に、「検閲は、これをしてはならない。」と明文ではっきり書かれています。

これは、表現の自由、国民の知る権利を奪うという事から、憲法で「絶対的に禁止」されていると解されています。この「絶対的に禁止」というのがポイントで、こういう時は特別にOK、といった例外が一切認められていません。検閲に該当した時点でどんな理由、事情があろうが問答無用でアウトになります。

そして、憲法にて絶対的に禁止されているからこそ、最高裁の判例で厳格に定義付けがされていまして、

「検閲」とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止すること、、

と非常に限定的な場合に限られており、少しでも該当しない箇所があれば検閲とはみなされません。

今回のケースは検閲に該当する?

ではこれをふまえて今回中止になった企画展の作品についてみてみますと、

少女像をはじめ、すでに発表されている作品を集めたものであり、発表前の作品ではないのでこの時点で検閲にはあたらないと考えられます。仮に日本では未発表であったとしても、ほかの国で発表済であれば発表前の禁止にはあたらないとする判例があります。

さらに、今回は中止になってしまいましたが、今後、自費で又はスポンサーをみつけて等様々な方法で発表は可能であり、発表自体が禁止されている訳ではないようですのでその観点からも検閲にはあたらないと考えられます。

この検閲については憲法を勉強すると必ず学ぶメジャー論点の一つなのですが、もし勉強していなかったら、僕もなんとなく検閲という言葉、言い回しがあって、これは検閲と言うんだ、、と思ってしまっていたんだろうなと思い今回簡単にまとめてみました。たかが言葉のチョイスかもしれませんが、検閲という言葉の意味を考えると、なんとなく似ているからと簡単に使っていい言葉ではないと私は考えます。参考になれば幸いです。